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30歳代から40歳代の患者数の増加が深刻な乳がん

日本国内における乳がんの発症率は過去20年で約2倍に増加し、成人女性が発症するがんの1位となっています。日本人女性の16人に1人が乳がんを1回以上発症し、その発症率は全年齢層で増加傾向にありますが、なかでも30〜40歳代の増加が著しくなっています。

検査機関の看護師

厚生労働省は、乳がん検診の対象年齢を40歳以上、間隔は2年間ごととしていますが、将来は家族的なリスクのある女性は35歳前後から開始する可能性があります。検診は自覚症状がない人を対象として乳がんの早期発見を目的として行われますが、乳房にしこり、くぼみなどの自覚症状があるにもかかわらず、検診を受診する人が少なくありません。自覚症状がある人は、早急に乳腺外科などを受診しましょう。

乳がん検診の基本は視触診ですが、医師のスキルによって理学的所見の精度に差が生じることは否定できません。また乳腺が発達した若い女性や、肥満の女性の乳房は触診で正確な診断ができないことがあります。画像診断で異常所見は確認されなかったものの、触診が乳がんの診断のきっかけとなることが現在でも多いため触診を軽視してはいけません。

問診の際には乳房のしこり、皮膚のひきつれ、痛みや腫れなどの自覚症状の有無、女性ホルモン剤などの使用中の薬剤、乳がんの家族歴などが訊かれます。母親やしまいに乳がん発症者がいる場合、受診者の乳がんリスクは2〜4.7倍になるため、家族歴は重要です。

マンモグラフィー検査は、高齢で乳腺が委縮した女性では読影が比較的容易ですが、若い女性は難しいケースが多々あります。石灰化(カルシウムの沈着)の発見には有用ですが、良性である嚢胞や線維腺腫などでも要精密検査と判定されていしまう点が、マンモグラフィーの欠点です。マンモグラフィーの読影は資格を持った医師がダブルチェックを行い、良性・要精査・乳がんに分類されて報告されます。

マンモグラフィーや超音波(エコー)検査で乳がんが疑われた場合、穿刺吸引細胞診や針生検を行って細胞を採取します。乳頭からの分泌物が認められる場合は分泌物の細胞診を行います。石灰化病変のみで腫瘤がない場合はマンモトーム生検を実施します。これらの精密検査で乳がんと診断されれば、CTやMRIなどにより手術適応の検討を行います。幸いにして乳がんと診断されなかった場合は経過観察となります。