MENU

乳がんの危険因子の3分の1は「月経」に関係する項目です

私たちの体には、遺伝子の傷を修復する能力が備わっていますが、加齢とともにその能力は低下していきます。したがって、胃がん、大腸がん、肺がん、肝臓がんなどの多くのがんの発症年齢のピークは高齢期となっています。

リスクが高い女性は自己検診が大切

しかし、乳がんの発症者は30歳代後半から増加し、45〜49歳で早くもピークを迎えており、高齢になるとむしろ低下していきます。働き盛りの世代に発症者が多いのは日本の乳がんの特徴で、欧米では70歳以上でも上昇しています。また、日本ではかつては稀だった20歳代の乳がん患者も増加傾向にあります。

それでは、どのような女性が乳がんを発症しやすいのでしょうか? 乳がんのリスクを高める危険因子としては、@初潮の年齢が若い(10歳以下)、A月経周期が早い、B閉経が遅い(55歳以降)、C出産経験がない、D高齢出産、E肥満、F家族に乳がんの人がいる、G良性の乳腺の病気になったことがある…などが挙げられます。

男性も乳がんを発症しますが、99%以上は女性に発症すること、そして卵巣を摘出した女性は乳がんになりにくいことから、乳がんの発症と成長にはエストロゲン(卵胞ホルモン)が関係していると考えられ、乳がんの60〜70%はエストロゲンの影響を受けているとされています。

上記の危険威信を見ると、最初の3つは「月経」が関係しています。初潮が早くて閉経が遅いということは、それだけエストロゲン(卵胞ホルモン)の刺激を受ける期間が長いことを意味しています。エストロゲンの分泌量は排卵前後に最も増えるので、月経周期が短いことも、それだけエストロゲンの刺激を受けることを意味しています。

妊娠中は月経がないため、エストロゲンの分泌も少なくなるため、子供を多く生む女性の乳がんの発症率は低いことになります。日本人の女性は出産回数が減少しているため、それだけエストロゲンの影響を受ける期間が長くなり、その分乳がんの増加につながっていると考えられています。高齢出産は、年齢的な制限から出産回数が若い人よりも少なくなり、月経の期間が長くなるため、これも危険因子となります。

エストロゲンは主に卵巣で作られていますが、閉経後の女性は卵巣に代わって、皮下脂肪に酵素(アロマターゼ)が作用することで、エストロゲンが作られています。肥満の女性は、皮下脂肪が多いため、たくさんのエストロゲンが生成されるため、乳がんのリスクが高くなります。